木造建築の現場にも多種・多様な職人さんが働いています。
電気・水道・ガスなどのライフラインに関わる職人。
左官・塗装・クロス(壁紙)などの内外装に関わる職人。
これらの職人さんはそれぞれ、電気屋・水道屋・左官屋・塗装屋 と呼称されることが
多く見受けられます。
そこで、ふと疑問に思うのが、大工屋とはあまり呼ばれていないし、大工屋という
言葉自体が、建築界で流通していないなあ、ということです。
なぜ大工だけ大工屋ではなく、大工さんと呼称されることが多いのか?
そもそも、主に材木を扱うので木工屋でもよさそうなのに、大きい工で大工?
ここからは私見にはなりますが、歴史上、日本で古くからある木造建築は、
大工が大きく関わる工事が、かなりの割合を占めていたからではないかと思います。
大工がいないと家が建たない。
だから、大きく関わる工が大工となり、尊敬の念の意味合いで「さん」がついたのでは。
ですが、現在の建築は分業化が進み、大工が居なければ家が建たない時代では
なくなってきています。
けれども、いつまでも 「大工さん」 と呼ばれるそういう大工でいようとする事も
大切だと、しみじみ思う今日この頃です。