COLUMN

  • 2023.10.11

大工さん

木造建築の現場にも多種・多様な職人さんが働いています。

電気・水道・ガスなどのライフラインに関わる職人。

左官・塗装・クロス(壁紙)などの内外装に関わる職人。

これらの職人さんはそれぞれ、電気屋・水道屋・左官屋・塗装屋 と呼称されることが

多く見受けられます。

そこで、ふと疑問に思うのが、大工屋とはあまり呼ばれていないし、大工屋という

言葉自体が、建築界で流通していないなあ、ということです。

なぜ大工だけ大工屋ではなく、大工さんと呼称されることが多いのか?

そもそも、主に材木を扱うので木工屋でもよさそうなのに、大きい工で大工?

ここからは私見にはなりますが、歴史上、日本で古くからある木造建築は、

大工が大きく関わる工事が、かなりの割合を占めていたからではないかと思います。

大工がいないと家が建たない。

だから、大きく関わる工が大工となり、尊敬の念の意味合いで「さん」がついたのでは。

ですが、現在の建築は分業化が進み、大工が居なければ家が建たない時代では

なくなってきています。

けれども、いつまでも 「大工さん」 と呼ばれるそういう大工でいようとする事も

大切だと、しみじみ思う今日この頃です。